贈与税の配偶者控除は、婚姻期間が20年以上の夫婦の間で、居住用不動産等の贈与が行われた場合、2000万円まで控除を受ける事が出来るという制度です。一見すると、贈与税負担なしで配偶者に財産が2,000万円移るので、メリットばかりであるように思えます。しかし、相続税法上、配偶者の相続税額の軽減や小規模宅地等の減額の特例の優遇措置があります。居住用財産は330㎡まで80%減額できますし、そもそもその財産を配偶者が取得すれば配偶者の税額軽減で配偶者の相続税は0となるケースもあります。(小規模減額後の残りの20%に対して課税されるのですがそれが影響して相続人の相続税が多少増えることにはなります。)
ほかに小規模宅地の減額が使える土地を所有されていればその枠が増えることになりますし、居住用宅地が広くて贈与してもなお小規模宅地が使えるケース、居住用財産は二次相続でまた小規模宅地の減額が使えることになったりします。やはり、二次相続まで加味して計算しないと意味がありません。本当に贈与税の配偶者控除をやるメリットがあるのかはケースバイケースで考えないといけないといえます。私はいつも具体的な金額で試算して有利不利判定をするようにしています。